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春から夏、やがて冬

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 今回は、歌野晶午の「春から夏、やがて冬」をご紹介致します。

 読み終わった後の何とも言えぬ、『絶望』と『救い』があるお話です。

 人によって大きく感想が異なる作品でもあり、みなさんの感想は『絶望』、それとも『救い』でしょうか?

 

 

 

スーパーの保安責任者と万引き犯

 

 スーパーの保安責任者の平田は、一人の若い女を捕まる。

 パンやおにぎりといった万引きだったが、平田はその女を警察には引き渡さず、厳重注意ということで見逃してしまう。

 普段なら、平田は子供であれ老人であれ、どんな理由があれ、警察に引き渡す男だ。そんな男が、彼女だけを見逃した理由とは?

 それは、平田にとって大きな意味があった。

 

全てを失った男

 

 平田の「平」は平凡の「平」だ、と自任していた

 しかし、彼の人生はとある一日を境に平凡から遠くかけ離れたものになってしまうのである。

 娘の死だ。

 娘は轢き逃げに合い、命を落としてしまう。しかも轢き逃げ犯は捕まらず……。

 更に、平田に悲劇が襲う……。

 

最後に

 

 この本を読み終わると、胸にぽっかりと穴が開いたような喪失感があなたを襲うでしょう。

 絶望の淵にいた平田に救いはあるのだろうか? 万引き犯の末永すみえは平田に絶望を与えるのか、それとも希望なのか。

 あなたは、誰かの為に、何が出来るだろうか。